ラストダンスは私に



 直斗はその日、とても滞りなくスムーズに業務が終了したのでほぼ義務化してるような残業の必要もなく、スパシーボ!と感激しつつ帰り際に兄の恭介に自慢するだけ自慢して家に帰った。ぎりぎりという恭介の歯ぎしりの音をBGMとしつつ。
 そして家に着き、だらだらと寛げる部屋着に着替えた所で携帯の着信が鳴り響く。
(おっ、成歩堂くんじゃん。どうしたんだろう)
 21歳で大学生の成歩堂くんは、警察局で一番偉い厳徒さんと昼はラブラブ夜はイチャイチャしているとゆー三枝師匠も椅子から転げ落ちるような新婚みたいな生活をしている。が、繰り返し言うが厳徒は警察局で一番偉いので、それは言い換えれば局内で一番忙しい……とまでは、厳徒さんがちゃっかりした手腕で余所に回せるものはバシバシ回すので、そこまでではないかもしれないが、とにかくヒラの職員に比べて仕事量に余分なオプションがつくのは確かなので、2人の時間はちょっぴり他のラバーズより短い。忙しい時は約一か月ご無沙汰、というのも珍しくなった。それでも、成歩堂は不満を漏らす事無く、むしろそうであるから2人で居られる時間がとても嬉しい、とある時直斗に幸せそうに語って見せていた。直斗は検事と言う職業上、嘘や偽りには敏感なので、それが彼の心の底から言っているのが解った。それを見て直斗は、巷によく居る「仕事と私とどっちが大事なの!」などとほざく解らんちんで馬鹿ちんな連中に成歩堂くんの爪の垢でも飲ませてやろうかと思う反面、爪の垢すら勿体無いわ!ガッシャーン!(←ちゃぶ台ひっくり返した音)とも思った。
 色々長々と語ったが、つまり成歩堂くんは厳徒さんとすっげー仲良しなんですよ、って事だ。精神的にも、さらには肉体的にも。
 厳徒が多忙を極めている時、成歩堂は「広いにも程があらぁ!」と小市民がやっかみたくなる規模の家で、本来の主の代わりに部屋に生活感を与えている。時刻は日付変更線まであと2時間を切った。成歩堂に他に遊ぶ約束が無ければ、今の時間は家に居る筈なのだが。
(着信が家電じゃなくて携帯からなんだよな……)
 それを訝しみながら、直斗は電話に出た。説明を挟んだのでそれなりに時間が経ったかと思われるかもしれないが、実際はピ。とかペ。とかポ。とか、メ。とか(メ?)とにかく最初の一音が発せられた所で出たのだった。物凄く素早く。
「はいはーい、もしもしカメよ」
 訝しいと思ったが、とりあえず直斗はいつもの調子で出た。そう、いつもこんな調子なのだ。
『……あ……えっと……………』
 直斗があまりに早く、まるで客待ちのテレクラのような俊敏さ出たせいか、電話の向こうの成歩堂は戸惑っていた。
『……あの、その………』
 しかし、その状態が長く続くので、直斗は他にも原因が、いやむしろそれこそ電話の目的であろうと予想した。とりあえず、すぐには切り出せない内容のようだ。
 さて、どうしたもんだろう、とちょこっと直斗が考えてみたその時。窓の外から救急車が過ぎるサイレンが聴こえた。
 そして、その音は受話器からも聞こえた。
「…………………」
 直斗は立ち上がり、短い廊下を通りドアを開け、外に出た。
 直斗の部屋は3階で、そこから下を見れみれば。
「成歩堂くん、見ーっけ」
「……………」
 スポーツバッグを持った成歩堂が、直斗を見上げた。少し、途方に暮れているような顔で。


 その表情と言いその荷物と言い、何かが思いっきりあったのは思いっきり間違い無さそうだ。
 直斗はまず、厳徒の家から来たのだとすればその道中を労おうと飲み物を差しだした。
 グラスに乳白色の飲料を注いでテーブルに置く。この飲み物は、牛乳やカルピスや豆乳ではなくて。
「ラッシーだよ。最近のお気に入りなんだ。
 ちなみに賢い犬から絞り取った汁って訳じゃないからね」
「………………………………」
「…………。受けなかった……」
 ジョークが受けなくてがっかり・オブ・ザ・直斗に成歩堂が慌てた。無視でもすればいいのにな。
「い、いやいやいや!解りましたよ!名犬ラッシーとかけたんですよね!
 あの、つまらない訳じゃなくて、少し考え事をしてて……」
「ふうん?考え事」
 と、直斗は割と興味なさげなふりをしてみた。
 成歩堂は、さっきのように眉を垂らしてやや下を俯く。
「…………直斗さん……」
「うん」
 名前を呼ばれたので、なんとなく返事してみる。
 成歩堂は、呟くように言った。くすん、と小さく鼻を鳴らしつつ。
「……厳徒さんと、喧嘩しちゃいました……」


 厳徒と喧嘩した。それを成歩堂から聞いた後、直斗は、あーらら、とか軽〜く言ってみたが、内心はとても驚いて面喰っていた。むしろ現段階における今年で一番ビッグなサプライズだった。これまでの人生で言えばトップ5入りは確実だろうくらいに。
 あの厳徒さんと成歩堂くんが喧嘩。いや、もっと突き詰めて言えば、あの成歩堂くんを可愛がって可愛がって可愛がって痛みすら甘い棘に変えてやろうかという厳徒が、成歩堂くんと、喧嘩。その時点でもうただ事ではない。事態は異常だ。エマージェンシーだ。セコムを頼む。
 局長室へ直通するエレベーターに乗り、一気に上まで上ったのでキーンとなった耳を直斗は唾をごっくんして直す。
 おおお、こりゃまっこと恐ろしか事が起こったバイねー、とか瞠目しつつ、直斗はその後日いきなり警察局長室を訪れた。相変わらず、趣味がいいのか、それともどうしようもなく悪いのかの線引きが難しいインテリアで飾られている。
「まあ、解ってるとは思いますが。お宅の成歩堂くんはオレの家にお邪魔してますよ」
「ふぅん…………」
 と、頬杖ついて厳徒が言う。その様からは、覇気が薄れてその分どす黒い毒気が増している、ように見えた。有体に言ってしまえば厳徒は不機嫌チックな顔つきだった。
「どーせ別に相手が嫌いになって喧嘩したんじゃないでしょう?ならさっさと仲直りしてくださいよ。
 成歩堂くんをお家に置いていると解ったら巴さんやおキョウさんに呼び出されてセッキョーされそうだし、何より部屋は分けているとは言え、近くで火照った体を持てまあした成歩堂くんが自分で自分を慰めているかと思うと、オレの睡眠時間は減るわバリエーションは増えるわ」(←何の)
「あっはっは、直斗ちゃ〜ん。一度空気な所に住んでみたいと思わない?まあ思ってなくてもしちゃうけど」
「今アンタがしなきゃいけない事は、権力使ってオレを飛ばす事じゃなくて、誠心誠意を用いて成歩堂くんと和解する事でしょーが」
 どす黒いオーラをまき散らす厳徒に、直斗はしれっと言った。 
「実は原因のさわりくらいは知ってるんだよねー。御厄介になるからには、って説明してくれたんだ。成歩堂くんはいい子だね〜」
「直斗ちゃ〜ん、海の綺麗な所は如何かな?」
 これ見よがしに直斗が成歩堂を誉めてみせると、またしても笑顔と共にぶわわ、と厳徒から瘴気が出る。が、やっぱり直斗はそれを諸共しない。普段から慣れているというのもあるし、やはり成歩堂が家を飛び出したという事が彼のHPをそぎぎと削ぎ取っているようだ。
「でもってついでに賢いね。無意識に被害の出ない場所を選んできてる。
 夜更けに女の人の所には転がりこんだりしないし、それにオレは厳徒さんにそう簡単には動じないもんねー」
 えへん、と直斗は無意味に威張ってみた。そして本題を切り出した。
「アンタ、自分の死後に遺産……ってか自分の全財産、成歩堂くんに譲る手続きしてたんだって?成歩堂くんの許可もなく」
 それを知った成歩堂はそんなものいらないと突っ張り、しかし厳徒はそれを受け入れなかった。これが、喧嘩の原因だ。
 直斗は心底呆れたように言ってやった。
「バカだねー。そんな事して成歩堂くんが喜ぶかどうか、オレでも解るのにってのにさ」
「…………。だってー」
 と、厳徒は両手で頬杖をつく。その視線はやや遠い目をしていた。
「そんなものだって、無いよりある方がいいじゃない?思いでは綺麗だけどお腹が空くわ、ってジュリさんとマリーさんも言ってるし」
「ジュリ&マリーをタカアンドトシみたいに認識しないでください」
「解ってるよ。敢えてボケだよ。
 とにかく、ぼくは自分の持ってるぜーんぶ、ナルホドちゃんにあげたいの。だって僕はナルホドちゃんのものなんだから。
 それに、一応言っとくけどね、僕だってナルホドちゃんの反応くらい想像しなかった訳じゃないんだよ」
 惚気終わった厳徒は自己弁護を始めた。
「それこそ僕が死んで初めて露見して、もうつき返そうにもどうにも出来ないようにさせておいたのに、別口からバレちゃって」
「別口?」
「遠ーい親戚。色々言って来たけど、要約して金貸せって。それで君らにあげる金はないよ、って言ったら色々調べられちゃった」
「成歩堂くんまで?
「ナルホドちゃんまで」
 直斗がそう言うと、厳徒はムス、とした顔つきになった。自分の失態を悔やんでいるのだろう。
「あーあ、成歩堂くん可愛そー。きっと金目当てなんだろとか、その親戚に詰られたんだよ。あーあー、カワイソー、カワウソー」
 直斗はジト目で厳徒を詰る。そして何故かイタチ科の水棲哺乳類を続けて言った。
「そんな傷心な成歩堂くんに畳み掛けて傷つけてどーすんですか。ほら、さっさと成歩堂くんにごめんなさいしちゃいなさい。ユー、仲直りしちゃいなYO!」
 ハマーっぽいのかジャニーっぽいのか、真面目なのか不真面目なのか直斗が言う。
 しかし、厳徒は机の上で組んだ指に、鼻先を埋めて憂いる顔を露にした。直斗は、経験なくても色々出来る!という完全実力主義者的考えの人物だが、その切なさはまだ30年にも満たない自分の人生では醸し出せないものだろうな、と思った。
「……あの子の為なら全部捧げたっていい。言う事も全部叶えてあげたい。でも……それでも……」
「……………」
 その深い葛藤も、直斗は完全に推し量る事が出来なかった。


 直斗が警察局に来たのは勿論厳徒さんに「アンタ早く仲直りしなさいよ。成歩堂くんが可愛そうだろ!」って発破をかけるのが1番だが、1番があるので当然2番もある。その2番とは、恭介に会う事だ。
 まず、直斗は最初に、厳徒さんと成歩堂くんが喧嘩して、その成歩堂くんは自分のお家にお邪魔してるんだぜ。いいだろ。って所だけ説明した。自慢もした。
「はー、どうりでなぁ」
 それだけの説明でも、何か恭介を納得させるものがあったらしい。直斗は口を挟んだり茶々を入れたり野次を飛ばしたりしないで、恭介の次の言葉を待った。
「今日、いきなり厳徒さんが鈍っちゃいけないから久しぶりに取り調べするーって、タダシキさん押しのけてやって来たんだよ。
 まあ、それだけはいつもの事なんだが、その取り調べで心を病む被告人が続出してだな。怒り狂った巴が厳徒さんに強制退場命じやがった」
 あの警察署玄関口の救急車の群れはそれだったのか……と、直斗も恭介と同じ事がらを別方向から納得できた。
「しかしなんて言うか……よく、カウボーイは家出なんて出来たな?」
 恭介は真顔で言った。厳徒の成歩堂へのデレっぷりは恭介も知っている。厳徒を見ていたらツンデレなんて言葉、ファンタジーに聴こえそうなくらい、デレっとしている。
 そんな厳徒が、目の前で飛び出して行こうとする成歩堂をそのままほっとくだろうか。いや!そこでほっといたらそれは厳徒ではなく厳徒の皮をかぶった別の何かだ!恭介はそう思った。
「その喧嘩ってか言い合いは電話でだったんだって。てか、最近の厳徒さんが家に戻る所じゃないのは、兄ちゃんの方が詳しいじゃないか」
 ああ、そういえばそうだったな。と恭介は頷いた。
「でないと兄ちゃんの言う通り、成歩堂くん家出なんて所じゃないよ。もし面と向かっての事だったら、きっとそのオレらはその後成歩堂くんの姿を見る事無く、そして日に日に双眸を狂気の色で濃くしていく厳徒さんを目の当たりにしながら何も出来ないでいるんだ」
「…………オレンジジュース飲みながら恐ろしい事言うなよ……」
 なまじ否定出来ないのがまた恐ろしかった。
「それで、狩魔の爺さんから聞いた事なんだけどね。厳徒さん昔、オレか兄ちゃんくらいの年齢の時、とある女の人と恋に落ちて愛を育んだ時があったんだってさ」
「ほう?」 
 身近な人の恋話に、恭介が身を乗り出す。しかも、相手は厳徒。これは興味深い。野次馬根性も入道雲のごとくもくもく沸き起こるってもんだ。
「でもその人とも遺産が原因でこじれちゃって。厳徒さんはそれ以降結婚もしなければ恋人も作らなかった、ってのはオレらもちょっとは知っている事だ」
 確かに、恭介達が成歩堂以前に厳徒の近辺に男女問わず親しい人が居た、もしくは居る形跡を確認した事は無かった。
 だもんで、急に成歩堂を連れて来てその肩を抱き、「ぼく、この子と付き合う事になったからv」と言われた時は皆、「ほげぇ――――――っっ!!!?」とシャウトしたものだった。巴ですら。
「その財産って、それほどのものなのか?」
 恭介が訊く。
「うん。本人が『まあ、ぼちぼちね』って言ってたから、実際は凄くあるんだと思う」
 金銭がらみで陰惨な事件をいくつも見てきた捜査官の恭介は、そんな重石を持ってしまった厳徒に、ちょっと同情した。実際今だって、それが原因で最愛の人とややこしい事になっている訳だし。
「でもまぁ、その人にも事情があってね?
 余命幾ばか無いって人だったから、下手に厳徒さんと婚姻結んで、自分の死後にそれを理由に親戚が厳徒さんに金の無心をせびりに来るのが嫌だったんだろうって。
 現にその人は出会って数年後には天に召されてしまったって。
 実際に最期を見届けたのは厳徒さんだったんだけどね、そういう事情だから、喪主にもなれなくて。葬式も隅の方で眺めてたそうだ」
「……悲しいけど……胸に響く話だなぁ……俺、そういう恋人に遺される系の話には弱くって……っっ!」
 言いながら恭介は目じりを押さえた。思わず滲んだ心の汗を隠すために。
「まあ、それはその際どうでもいいんだけどさ」
「流すか!俺の感動をどうでもいいと流すのか!」
「オレがここで言いたいのは、そういう過去があるから今回、厳徒さんも意固地になっちゃうんだろうって事だよ。普段の厳徒さんなら、どんだけこじれても成歩堂くんが家出なんて、そんなフラグ立てもしないだろうに。そもそもこじれる事自体が可笑しい」
「……まあ、確かにな」
 自分の扱いに若干不満を残しながらも、恭介はその意見には同調する。
「う〜ん、早く仲直りさせないとヤバいんだけどな〜。じゃないと方向がとんでもない場所へと向かっちゃうに決まってんだから。
 厳徒さん、絶対あの人ごっつい鍵のついた地下室つきの別荘や三角木馬の3つや4つ、持ってるだろうし」
「………地下室はまだしも、三角木馬って……」
 恭介は思う。持ってそうで大変嫌だ。実に嫌だ。そして思わず想像してしまった自分も嫌だ。
「その人の時もさ、何か色々大変だったって」
「大変って、どんな風にだ?」
 恭介が訊く。
「うん。オレも物凄く訊きたかったんだけどね。でもそれ質問したら狩魔さん、急に壁向いて頭打ち付け始めちゃったから。さすがのオレも聞いたらマズいって思ったんで、それ以上聞けなかったよ」
「……ああ。そりゃ聞いちゃマズい……自己崩壊一歩手前だ……」
 一体何をしたんだ、あの人、と恭介は嫌な汗を流した。
「そこでオレが出来る事と言えば、その愉快な様をムービーで録画する事だけだった」
「録るなよ!可哀そうだろ!!……ところで」
「ん?何?」(←撮ったムービー見ながら)
「なんでお前、そんなに俺に情報くれるんだ?」
 いつもの直斗さんであれば、必ず露見しなければならない情報以外は徹底的に隠しに隠しまくり怪訝そうなその顔を堪能した後で「実はこうだったんだぴょ〜ん。知らなかっただろー!」とかイラっとくるテンションで明かす筈なのだ。恭介に対しては。
 なので何か裏があるというなら今から探ろうと慎重になっている恭介に、直斗は朗らかな笑みを浮かべ。
「そりゃー、いざという時、成歩堂くんを託そうと思ってさ。
 何だかんだで兄ちゃんは世界にひとつだけの、ナンバーワンじゃなくてもいいオンリーワンの兄ちゃんだもの。一応それなりに信用してるんだよ」
「直斗………」
 と、恭介は感激した。実は結構失礼な事を言われたとも気付かず(ナンバーワンじゃなくていい、の所)。
「いやぁ、嬉しいじゃねぇか。そんなに俺に信用を寄せていたなんてよ。
 俺はてっきり、カウボーイを俺の所に受け渡すのは巴やおキョウにバレる寸前に押しつける為かと思ったが」
「……………………」
「何だその「やべぇ、意外と鋭いな……」って目は!オイ!直斗!!!」
「兄ちゃん、いい目をしているね」
「そこで欲しいのは肯定じゃねぇよ!やめろ!力強く親指を突き出すな!!」
「それじゃ、ジュースも飲んじゃったし。もう帰るね」
「おーいー!!」
 恭介がまだ何か言ってるが、直斗は用が済んだのでさっさと立ち上がりとっとと立ち去った。後には、もやっとした恭介だけが残った。


「あーっ、家に帰って誰かが食事を作って待っててくれる環境ってのはいいなぁ〜」
 よそって貰った味噌汁を片手に、直斗はとてもしみじみに思った。泊まらせて貰う対価にと、成歩堂は食事を振る舞ってくれた。21歳という年齢の割には、肉を控えた和食的なメニューであった。本人が健康に気を使っているのか、はたまた相手に嗜好を合わせているのか。直斗は勝手に後者だな、と思った。そして勿論、その”相手”は直斗ではない。
「明日、帰った時”お風呂にします?ご飯にします?”とか玄関口で聞いてくれない?」
「え〜?」
 と、成歩堂は噴き出すように笑った。
 初日、ここに来た時はここがどん底とばかりに沈みまくった表情の成歩堂だったが、直斗の色々と破天荒な発言をする時ばかりは笑みを浮かべるようになった。直斗が時々とんでもない事を言うのは、成歩堂くんの感情を浮上させてあげる為……でもあるし、純粋に直斗が思った事もであった。
「………んで。オレは中立の立場なんで、成歩堂くんにも言うけど。
 厳徒さんに言って来たよ。成歩堂くん来ましたよって」
「………………」
 それまで和やかに箸を進めていた成歩堂だが、その一言で手が止まってしまった。
 リラックスした食事中になら、と思ったけど食後にすればよかったかな、と直斗は牛肉の醤油煮を食べながら思った。
「厳徒さん、あの事について引くつもりは無さそうだったね。これは譲れないって」
「……そう、ですか………」
 成歩堂は小さく返事した。
「厳徒さんに引くつもりがなくても、成歩堂くんも、折れられないんだね?」
「…………………」
 沈黙は肯定だった。
「……成歩堂くんは、周りから金目当てで厳徒さんに近寄ったって思われるのが嫌なの?だから遺産は要らないって言ってるの?」
 直斗は味噌汁を啜った。卵が入っていて優しい味がする。直斗は、いつぞや厳徒が「やっぱ味噌汁は卵入りだよね」とか言っていたような気がしてきた。
「いえ、そうじゃなくて…………」
「なら、何?」
「…………」
 成歩堂は、はっとなって直斗の言葉に異を唱える。が、理由までは言わなかった。言えないのか。
(……だって、こんな幼稚な考え……言える訳が無いよ……)
 それこそ、愛想が尽きてしまうかもしれない。落ち込むばかりの成歩堂に、直斗が声をかける。
「本当の理由さ、相手に言うだけ言ってみたら?とりあえず、今以上にこじれる事は無いだろうしね」
 直斗がしれっという。その無責任っぷりは今の成歩堂を程良く脱力させ、沈む気持ちを浮き上がらせた。少しぎこちなくても成歩堂は一応微笑んでみせた。


 なるべく違う事柄で頭を満たしておきたい、と思っている時ほど、予定というものは来ないものだ。その癖、周りの人は何かしらの用で自分と一緒に出来ないでいる。
 今日はバイトの日ではないが、適当な理由を言って入っちゃおうかな、と成歩堂は思った。厳徒からしてみれば、成歩堂の生活費を負担する事くらいどうって事無い上に何ともないのだが。金銭より関係を鑑みて。
 しかし、それでは厳徒に寄りかかってばかりになってしまう境遇を成歩堂は嫌い、バイトに通っている。バイトに通うのは他にも理由がある。成歩堂は、どうしても自分で金を稼ぎたい理由があった。働く時間が増えれば、その目的も叶い易くなる。一石二鳥……に、なる為には厳徒と仲直りする必要があるのだが。
「……………」
 厳徒は警察局長なのだから、警察署に行って、局長室にでも行けば必ずではないが会える確率は高い。でも、成歩堂はまだ行ってない。
 怖いのだ。もし厳徒が、自分を罵倒したら、と思うと。
 そうされる理由があるのは解っている。でも、嫌われるとなるとやっぱり悲しい。物凄く悲しい。
 理性を欠いていたとは言え、どうしてあんな真似をしてしまったのか。悔いても悔いきれない。
 あの日、厳徒の親戚だという人が自分の前に現れる前までは、こんな事態になるなんて思ってもなかったのに。
 いつものように、今は厳徒は忙しいから。あの部屋で居ない彼を胸中で気遣いながら過ごしていたのに。
「あっ………」
 と、思わず成歩堂は声を上げていた。
 とんでもない事を忘れてしまっていた。何故忘れる事が出来たのかと、叱責したいくらいに
(オルゴール……出しっぱなしだ……)
 そのオルゴールは、初めで厳徒の部屋に来た時、ガチガチに緊張する成歩堂を解してくれたものだ。その音色も、それを出してきてくれた厳徒の心遣いも何もかも優しい記憶になった。
 そして厳徒と同居するようになってから、彼の帰宅が遅い――あるいは無い時には、それの取っ手を回して寂しさを紛らわせていた。初めてこの部屋に訪れた緊張とそれ以上の歓喜を、鮮明に思い出させてくれるから。ここ最近、厳徒はご無沙汰だったので、オルゴールはかなり活躍した。物が置けるスペースが十分にあるベットヘッドに、成歩堂はそのオルゴールを置いて寝た。
 そして、そのままにして飛び出してきてしまった。あれは厳徒の棚に置いてあるものなのに。
 埃がたまっていたらどうしよう。そう思ったら、居てもたっても居られなくなり、財布が無い事に気づいても戻ろうとはしなかったあの部屋に、成歩堂は戻ると決めた。
(今なら、仕事中だし……はち合わせたり、しないよな……?)
「…………」
 まだ数日しか留守にしていないというのに、この鍵を使うのは久しぶりに思えた。スペアキーはもう作れないこの合鍵を、厳徒は成歩堂に渡した。成歩堂にだけ渡した。
 オルゴールの事ばかり気が行ってしまっている成歩堂は、玄関を駆け抜けるように通り過ぎた。もっと周りが見れたのなら、玄関に置かれた靴の変化に気づいただろうに。
 広い部屋だが、寝室とベッドはひとつきりだ。そのドアを開ける。
「――――っ!」
 成歩堂は目を疑い、この場に凍りついたように立ち竦んだ。
 ベッドの上に厳徒が居る。仮眠を取っているようで、服はいつでも外へ出てる格好だった。
 成歩堂は息をつめ、厳徒の様子を伺う。狸寝入りではなく、本当に寝ているようだった……………多分。
 恐る恐る足を進め、厳徒の顔が見れる位置にまで近づいた。改めでその寝顔を覗き込む。
(…………眼鏡かけたままだ……)
 おそらく、ちょっとだけ立ち寄ったのだろう。多忙な中、それでもこの家に寄って僅かな休息をしているのは。
(………僕に会う為……かな……)
 もしかして、もう戻っているとか思ったのだろうか。だとしたら、無人のこの部屋に入って、厳徒はなんと思ったのだろう。
 自分を見限ったか……それとも……
 悲しかった?
 寂しかった?
 ……むしろ、厳徒の方が見限られたとか思ったのだろうか。
「…………」
 厳徒の寝顔は記憶に少ない。大抵、自分が先に寝てしまい、そして厳徒は早々に出勤してしまうからだ。たまの休日、思いっきり朝寝坊した時とか、真夜中に成歩堂がふとした拍子にうっすら目覚めた時くらいだ。見れるのは。
 厳徒は、ベッドに腰掛け、そのまま仰向けになったような姿勢だった。腕は投げ出さず、胸の上で組まれていた。まじまじと見ていると、それが微かに上下しているのが解る。
 成歩堂は厳徒の横にそっと腰かけた。僅かながらに、スプリングが軋む。
 が、それでも厳徒はまだ目覚めなかった。


 厳徒の睡眠は一点集中型というか、すぐ寝てすぐ起きるという体質だった。これは時間が不規則になる職種には、大変ありがたい身体だ。
 それでいて、気配にも敏感だった。例えば寝込んだ厳徒に誰かが奇襲をしかけたとしても、返り討ちの遭うのが関の山だろう。
 そぐ傍の異変を感じ取った厳徒の意識が徐々に浮上して行く。
 微かに、音が、いや、人の声のようなものが聴こえる。とはいえ、声にして言葉にはなっていない……そんな、声だ。
 なんか聴き馴染む声だな、と思いつつ厳徒は目を開けた。そして、隣に思いがけない人物が居た事に、気づいた。
 こんな近くに誰かが居て、すぐに気づけなかった事にも驚いたが、その相手にも驚きだ。
「……ナルホドちゃん?」
 成歩堂が、隣に座っている。
 しかも、手の甲で涙を拭いながら、聞いている方が悲痛に感じる嗚咽を漏らしていた。
「ナルホドちゃん」
 さっきの声は寝起きからか愕きからか、掠れたような声だった。厳徒は、ちゃんとした発音でもう一度泣いている成歩堂の名を呼ぶ。それで、成歩堂も厳徒が目覚めた事に気づいたようだった。
「……厳、徒……さん………っ………」
 喉がしゃくりあげ、名前を呼ぶ事ですら苦労していそうだった。
 今している喧嘩にしたって、こんな風に泣かせるものだったか。ぽろぽろと零れる成歩堂の涙を見ながら、厳徒はやや困惑する。
「厳徒さん……う……ぅぅ………ふぇっ……」
「……ナルホドちゃん。そんなに泣いたら、目が解けちゃうよ?」
 ややお茶目かして言って、厳徒は手袋を脱いだ手で頬を優しく摩る。それは逆効果だったのか、成歩堂の涙の量が増える。
 しかし、成歩堂は頬に添えられたその手を、しっかりと掴んだ。激昂しているせいか、成歩堂のその手は熱かった。
「……っぅー………!……死なない……で………っ」
「………。んん?」
 突然出て来たセリフは、それだった。
 別に死ぬような持病も状況もないんだけど……と、いよいよ戸惑う厳徒だ。
 成歩堂のセリフは続いた。
「……もっと、一緒に居たいよぉ……死んだ後の事なんて、考えくない………っ!」
「……………」
「遺産の話なんて、したくない……聞きたく……ない………!!」
 そこまで言うと、成歩堂は今度は席を切ったように泣き出した。さっきのが小雨なら今は大洪水だ。うわぁぁん!と声を上げて、子供のように泣きじゃくる。
(ああ、僕は本当に解ってなかったんだなぁ……)
 きりの無い涙を拭いながら、厳徒はしみじみと思った。
 自分の財産を譲渡する事で他人から金目当てだと揶揄されるのが嫌だというなら、自分がそれを払拭させるくらい、全身全霊かけて真実に本当に愛してやるつもりだった。でも、そういう事じゃなくて。もっと話は単純だった。単純で真っすぐで、幼くて……なんて、愛しい。
(……そうだね。僕はもうこんな歳だし、ナルホドちゃんを見つけられただけでとても幸福だけど、”これから”がまだ一杯あるナルホドちゃんはそれだけじゃ足りないよね……)
 厳徒は少しあった距離を縮め、まだ涙の止まらない成歩堂の頭を、そっと抱き寄せた。ひっく、と成歩堂が喉を引き攣らす。
「ごっ、ごめんなさい………!!」
「うん?何を謝るの?」
 小刻みに撥ねる肩を、厳徒は優しく撫でてやる。
「だって……厳徒さんは僕の為を思ってしている事なのに……僕、我儘で…………ッ!!」
「我儘言ってるナルホドちゃんも好きだよ。可愛くて」
「か、可愛いって……こんな時に……」
 気持ちが落ち着いてきたのか、成歩堂は自分で涙を拭う。
「だって本当だもん♪」
「うー………」
 茶化してるようで本音を言っている厳徒に、成歩堂は唸った。厳徒はその顔にくすりと小さく笑って、成歩堂の肩に額を押し付けた。
「僕も、ごめんなさい。ナルホドちゃんに内緒で勝手な事しちゃって。
 でも、事前に言うのがなんだか怖くて。重いって引かれるのも嫌だし……こうなっちゃうのも、嫌で」
 結局こうなっちゃったけどね、と顔を上げた厳徒は微苦笑を浮かべていた。
「……………」
 成歩堂はそれより、厳徒が自分に対して”怖い”という言葉を使ったのがとても意外に思った。だって自分はただの大学生で、他に何も無いのに。
 一体、厳徒は自分の何が怖いんだろう。そう思っていた成歩堂は、ついさっきまで厳徒と顔を合わせるのが怖いと思っていたのを思い出した。
 面と向かって最終通牒を言い渡されるのが、怖くて。
 でも、厳徒の事を想わずにいられなくて。
(厳徒さんも、同じなのかな……)
 全く同一の人間ではないのだから、感情に差異があるのは必然だが、それでも向いている方向は同じだろうか。同じだと、自惚れてもいいだろうか。
「……あの、重いとかいうより、別に引いたりしませんし……好きな人に全部捧げたい気持ちなら、僕だってあります。……厳徒も、僕と同じように思う所があるって解って、少し、嬉しかったです」
 そして成歩堂は微かに笑う。厳徒が久しぶりに見た、成歩堂の笑みだった。
「だから……厳徒さんの気持ち解ったから。もう遺産も要りません」
「え、それはダメ。あげるって決めたから」
 このごに及んでしれっという厳徒さんだった。
「……でも、僕は要らないんです!もっと役立つ事に使ってください!」
「僕にとって、ナルホドちゃんに贈る以外にいい手段ってのは思いつかないなぁ」
「あるでしょう、色々と!寄付とか!それから……まあ、寄付とか……」
 それ以外思いつかなかった成歩堂くんだった。
「どこかに寄付したいなら、ナルホドちゃんがあげてよ」
「厳徒さんのお金でしょう?厳徒さんが決めてくださいよ」
「僕はナルホドちゃんにあげるって決めたのー」
「決めたのーって……。……………」
「ん?急に黙ってどうしちゃった?」
「……だって、これじゃ同じじゃないですか」
 成歩堂は剥れて言った。あの日も、電話口で今と似たようなやり取りをして、限界が切れてしまった成歩堂は飛びだしたのだ。
「そうだね、同じだねぇ……。じゃ、ひとまずこの話は明日に持ち越そうか」
「明日?」
「うん。明日で決着つかなかったら、明後日。明後日がだめな明々後日にさ。それでもだめならもっと。
 話し合おうよ。もっとちゃんと。どっか行かないで、目の前で」
「……僕、絶対にうんって言いませんから」
 成歩堂が、ちょっと悪戯な色を乗せて厳徒を上目で見て言う。厳徒はにっこり笑って。
「そうかぁ。じゃあ、ずーっと言い合いしちゃうね」
 明日も、明後日も、明々後日も、ずっと先も。
 ずっと一緒に。
「……はい」
 涙の跡がくっきり残る中、成歩堂はそれでも満面の笑みを見せた。


「て事で、厳徒さん、成歩堂くんと仲直りしたみたい」
 後日、恭介の報告へと直斗は警察局へとやって来た。
「昨日、夜更けにオレの部屋に置きっぱの着替え持ち帰りに来てね。肌のつやがやっぱり違った」
「……何がどう違うかはスルーするとして……
 まあ、道理で今日、テンションの高い厳徒さんがやって来て、容疑者の取り調べに強引に割り行っては容疑者の精神崩壊を招いている訳だ」
「結局喧嘩してもしなくてもやってる事変わらないんだな、あの人」
「言うなよ。必死に目を逸らしてんだから。その事実から」
 そしてむしろ玄関の救急車の量はこの前より増えていたような気がしないでもないな、と直斗は思う。
「なら、今日も巴さんはかんかんだね」
「いや、そうでもなくてだな。やり方を覚えたというか、崩壊ギリギリまで放置して、厳徒さんを退けた後に『正直に白状しないとまたあの人を呼ぶ』と言ったら、皆潔く吐くわ吐くわ。真面目に裏付け調査するのがアホらしくなった」
「大丈夫。今更アホらしくしなくても、兄ちゃんは十分アホだ」
「何でオマエ、慈愛あふれる目でそんな酷い事言えるの?
 ……まあ、何にしろ、仲直りしてくれて助かったぜ。正直、鬱積した厳徒さんのオーラにやられて体調不良を訴える同僚が後を絶たなかったからな」
 まるでサリンか何かの毒ガスみたいな厳徒さんだ。
「さぁー、それはどうかなぁぁぁー」
「そこで盛大に腕組んで首を傾げるな。人を不安にしてオマエは……
 いや、何でもない」
 恭介は「人を不安にさせてオマエは楽しいのか」と言おうとしたのだが、それに直斗が「うん、めっちゃ楽しい」と真っ直ぐな目で答えそうな予感がしたので、恭介はセリフ半ばに言わない事にした。
「そりゃあさ、あの二人は仲直り出来た訳だけど、そもそもの根源については何も解決してないんじゃないか?厳徒さんの金狙ってる親戚はまだ居るんだからさ。
 最悪、その親戚が厳徒さん亡き者にしてその容疑を成歩堂くんに押しつけるなんていう事もあり得る訳だ。そうなった際には、多分その案件はオレの担当になって、オレは巴さんと真剣に捜査を進め、成歩堂くんの無実をきっちり証明して成歩堂くんが信頼を寄せる人物となるに違いない。あれっ、なんだこのオレにとってのベストエンディング?」
「……いや、本当……何だろうな」
 恭介は兄としてそれだけ言うので精一杯だった。
「……で、俺はこれから厳徒さんの所に書類を届けなきゃならんから、オマエも適当な所で帰れよ。狩魔検事、また神経性胃炎で運ばれるぞ」
「……今、何つった?兄ちゃん」
「だから、狩魔検事が神経性胃炎で、」
「そこじゃなくて、その前!厳徒さんの所に行く?何考えてんだこの人、本気でヤバい………!!」
「……いいか、直斗。たとえ俺がお前のアニキだとしても、耐えれる事と耐えれない事がある。そんな蔑んだ目で見られれば、泣きたくもなる」
「あのさ、よく考えてみようよ」
 直斗は(恭介を無視して)話を進める。
「さっき、成歩堂くんがお弁当届けに局長室行ったんだよ。まあ、オレがその付添みたいな形ですが」
「知ってるよ。俺も挨拶交わしただろ」
「いやぁ、健忘症は年齢を問わず発症するっていうから。ちょっと確認を」
「…………………」
「それでまあ、今、厳徒さんの部屋には成歩堂くんが居る訳だ」
「……さっきから何をくどい位に言ってるんだ?」
「だから」
 言葉を区切って、直斗はセリフの強調を演出する。
「数日間離れていた二人が、仲直りして、一緒の部屋に、居るんだよ?」
「…………………」
「まあ、これでも解らないというなら行けばいいさ。しかし、その場合明日から兄ちゃんのあだ名は『デバガメ』とか『ピーピング・トム』とか『ジャック・オ・ランタン』とか、そういう系統だから」
「……別に急ぎじゃないから……明日、出直すか………」
「そうだね。それがいいよ。今日、あの部屋で奏でられるのはパイプオルガンじゃなくて成歩堂くんだろうからね」
「ここでそんなはっきりしたセリフを吐くな―――!!」




<おわり>

外道・鬼畜の代名詞である厳徒さんですが(そうか?)何にしろ「人と同じ事やったんじゃつまらないぜ!ナンバーワンよりオンリーワンだ!比べられる対照がなければ評価もつけにくいだろう!」って事で、厳ナルでべったべたの甘っ甘を描こう!!と決めました。
元々大人×子供の年の差組み合わせは超大好きなのでかなりすんなりストーリーが出来上がりましたね!!
強かに見えて芯の弱い厳徒さんと、ふにゃふにゃしてるようで芯が強いリュウちゃんで、結構バランス取れてるよね、とか思いました。

あとここまで無駄に長くなった要因はまぎれもなく直斗さん(と、恭介さん)です。この二人の掛け合いが止まらないんだZE。